ワイシャツ エリの縮みについて
2017年11月19日
先日、新規のお客様から問い合わせがありました。
「御社ではワイシャツのエリが縮むことがありますか?」
う〜ん… 正直申しまして 全く無いとは言えず…
「ワイシャツのエリは縮むことがあります。」とお答えしました。
どうしてワイシャツのエリは縮むのかと言いますと、熱の影響によるものがほとんどです。
ワイシャツのエリ(だけでなく カフス、前立て)には芯地が入ってます。
芯地の役割は、
・着用や洗濯による型崩れを防ぐ為、寸法や形態を安定させる
・ハリやコシを持たせ、着用時のシルエットを維持する
・生産時(縫製時)の歪みを防ぎ、品質と生産性の向上 など。
そして この芯地には3つの種類があります。
・フラシ芯
・仮接着芯
・接着芯(トップフューズ芯)
それぞれ一長一短あり 説明は省略させていただきますが…
3番目の接着芯(トップフューズ芯)は主に既製品や形状記憶シャツに使用され、国内で流通・販売されている9割のワイシャツがこの芯地です。
その名の通り 接着剤で布と芯地を固定する方法ですが、この接着剤に入っている樹脂が熱による影響を受けやすいのです。
ワイシャツのクリーニングでは 洗浄力向上の為 通常50℃~60℃で洗います。
しかし、この熱は影響ありません。
問題は仕上げ工程のプレス機による熱です。
キレイに 効率良く仕上げる為には一定以上の温度が必要になります。通常は180℃~200℃でプレスします。
この時の高温プレスによって接着剤に含まれる樹脂が収縮し、エリ・カフス・前立てが縮んでしまうわけです。
しかし、ワイシャツメーカーさんは、
「130℃以上の熱を加えると縮みますよ。」と言います。
でもクリーニング屋さんは、
「それじゃあ キレイに仕上がらないし、時間もかかっちゃうよ。」と。
仕上がりの品質と生産効率を求めるクリーニング業者。
(ここがお互い食い違うのです。(^_^;))
そこでクリーニングの機械メーカーは、
「伸ばしながらプレスすれば良いじゃない!」と、
プレス温度はそのままに ストレッチ機能を持たせたプレス機が登場しました。
(上の画像は当社が使用しているストレッチ機能付きプレス機です。)
なので、ワイシャツのエリはその構造上 ある程度縮むことはご理解いただき 、
縮まないよう 出来る限りの努力はしております。